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緊張型頭痛 |
〈どんな病気でしょう?〉 定義によれば、 軽度〜中等度の強さの頭痛で日常生活に支障は少ない 頭部を圧迫され、しめつけられるような頭痛で両側性に生ずることが多い 体位変換、運動など日常的動作による増悪は少ない 悪心・嘔吐、羞明、音過敏などを伴うことは少ない 器質的な病変による頭痛を臨床的に除外できる となっています |
〈特徴は?〉 以前は、筋緊張性頭痛・筋収縮性頭痛と呼ばれていたこともあり、肩・頚部・頭部の筋緊張が特徴とされてきました。確かに、頚と肩のこりが多く見られます。 ただ、筋緊張を伴わないタイプも見られます。 男女差はあまりありませんが、やや女性に多く、職業では肉体労働よりも事務系、仕事を持つ主婦よりも専業主婦に多い傾向があります。 遠視や乱視など、屈折異常を持つ方に多い。 非拍動性(脈打つ感じがない)である。 |
〈症状は?〉 もちろん頭痛です。緊縛感、圧迫感、被帽感(きつい帽子を被ったような,はちまきをまいたような感じ)、頭重感(頭の上に重しをのせたような感じ)が多いようです。後頭部から頚の後ろ、肩がつまった感じ、いわゆる肩こりの症状やめまい感(フワフワした感じ)を伴うことが多く見られます。 こめかみあたりにも出現し、頚部から後頭部にビリッと電気が走るような感じがすることもあります。 ズキズキという感じよりはギューっという感じです。 日常生活ができないほどのことはないようです。 症状は徐々に始まることが多く、30分くらいから数日続くものまであります。 不眠の方も多く、『頭からかかとまでが一本の棒のようになる。』とか、『頭が枕から少し上がった状態で首が固定している。』訴えられます。 |
〈どのようにして症状がでるのでしょう?〉 ペインクリニックの痛みの悪循環を参考にしてください。 筋収縮性頭痛は頭部・頚部・肩の筋肉の持続的収縮による痛みです。肩こりは僧帽筋の持続収縮ですが、この筋肉は後頭部から肩・背中に菱形に分布していますので頚部・頭部に影響します。肉体的ストレス(持続姿勢)・精神的ストレスが頭頚部の持続的収縮を惹起し、筋肉の循環を障害します。代謝障害により発痛物質がたまり疼痛が出現します。痛み自身がストレスになりますし、交換神経が緊張して血管を収縮させて筋肉の循環をさらに悪化させます。また、緊張状態で神経から放出されるノルアドレナリンは痛みを感じる神経を過敏にしますし、また、ストレスは脳の痛みを感じるハードルを低くしますので、通常では感じない刺激も痛みとして認識してしまいます。 ペインクリニックの項でも述べましたように、このような悪循環が形成されてしまいますと治りにくく、慢性化する傾向にあります。 |
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〈どのような方に多いでしょうか?〉 ストレスが誘因になることが多く、ストレスに弱い方に出やすい傾向があります。その他、長時間うつむき姿勢(持続姿勢)をとる方・眼を酷使される方、身体的には首が長くて細い(筋肉が少ない)方・なで肩の方で、頚椎の問題でも起こります。また、顎関節の異常・不正咬合も誘因となります。低血圧・貧血・動脈硬化等、血流を悪くするような疾患では症状を悪化させやすいと言えます。 |
〈治療は?〉 まず緊張型頭痛の大元であるストレスを解決する。しかし、これが一番難しいことです。通常は筋肉の緊張をとる目的で骨格筋弛緩剤をベースに精神安定剤・抗不安薬・抗うつ剤を考慮します。痛みが強い時期には消炎鎮痛剤を使います。しかし、もともと患者の体質・気質によるところが大きいので、薬物療法のみでは不十分なこともあります。 筋肉の緊張緩和と循環の改善、疼痛抑制、自律神経のバランスをとることが治療の基本ですので、これを目的にすれば星状神経節ブロック(SGB)が有用です。 |
〈普段のケアーは?〉 過労、睡眠不足、悪い姿勢を避け、自分でリラックスする方法をみつける。 緊張し過ぎないように注意する。(これができたら苦労はしません) 散歩、音楽観賞、適度な飲酒や入浴。 長く同じ姿勢をとらないように,仕事途中で背のびしたり,肩をまわしたりして筋緊張を減らすようにする。お茶は自分のデスクで飲まず、こまめにお茶を自分でいれに行く。(自分のデスクから離れる機会をつくる。) 日常生活でも気分転換を行い,心身とも過緊張の状態を続けないように心がけて下さい。 |