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ポリープ様声帯 |
『発声について』も参考にして下さい |
〈どんな病気でしょう?〉 ポリープのような限局したものではなく、声帯全体が水ぶくれ状態でブヨブヨになります。粘膜の表面にできる病変ではなく、粘膜の奥(固有層)にドロドロした粘液様のものが溜まって声帯が全体的に腫れます。 |
〈症状は?〉 嗄声(声がかれる)が主症状で、声の質はガラガラ・ブルブルとした感じですが、重厚で低く味のある声ともいえます。振動体である声帯が分厚く重くなっており、ちょうど極太の弦のようなものです。腫れが高度になると、場合によっては呼吸困難を起こすことがあります。 |
〈どういう方に多いでしょう?〉 酒を飲んでタバコを吸って、咳ばらいが多く、大声をだす人に多いようです。いかにもノドに悪そうな感じがしますでしょう。 |
〈診断は?〉 声を聞けばだいたい予想は付きます。いずれにしても見ることです。 |
〈治療は?〉 保存的治療では軽快しないことがほとんどですが、声の衛生は必要です。声の酷使が原因ですので、保存療法・手術療法のいずれを選択するにしても声の出し方が悪いと治らないか再発しやすいと言えます。手術は基本的にはラリンゴマイクロサージェリー(顕微鏡下の手術)です。声帯上面を切開し、固有層の内容物を吸いだし・しぼりだし・かきだします。 |
〈院長からのひとこと〉 ポリープ様声帯の声は軽度であれば、『低音の魅力』とでもいいましょうか、けっこう味があります。声楽においても、テノールはかなり摂生しないとあの透きとおったのびやかな声は保てません。酒・タバコはもっての他でしょう。一方、バスは上手に不摂生をしないと逆にあの重低音はでないようで、適度のポリープ様声帯を保っておられます。いずれにせよ程度問題で、ガラガラ声がその人のキャラクターになっていることもありますので必ずしも治療が必要というわけではないと思います。 しかし、ちょうど癌年齢で喫煙歴の長い方に多く喉頭癌のハイリスクグループに入りますので、やはり定期的に診ていただいたほうがよいと思います。 |